新築マンションでもインスペクションを行った方がいい理由

年末に差し迫ってきました。
この時期、マンションが竣工するところもあるかと思います。

さて、新築のマンションでインスペクションする意味があるの?
と思う方も多いかと思います。
しかし、近年多くなってきているのです。
私の経験ではインスペクションの4割ぐらいは新築物件です。

今回は、新築マンションでインスペクションを行う重要性について見てみたいと思います。

新築マンションは、もちろんのことながら「内覧会」と言われる建物引き渡し前のチェックが行われます。
マンションには専有部分と共用部分に大きく分かれます。

共用部分については、エントランスホールからエレベーター、廊下に至る部分や駐輪場・駐車場や宅配ボックス、郵便ボックスというイメージです。わかりやすく言えば屋外の空間です。
宅配ボックス、メールボックス、駐輪場、駐車場の使い方は内覧会時に説明を受けることになりますので、こちらはご依頼者に理解してもらうことが主となります。
新築なのでひび割れというのはあまり見受けられないかと思います。
やはり重点的にみるのは、室内である専用部分とバルコニーと玄関廻りとなります。


インスペクションの基本である、床や壁の傾斜についてはレーザーレベルで計測しますが、こちらはほとんどといってNGになるようなことはありません。
もし、新築のマンションで著しい傾斜があったら以前に世間を賑わせた杭の問題に匹敵してしまいますからね。
よって、新築マンションのインスペクションで重点的にみるのは、キズ・汚れ・凹みといったことと、扉の開閉、設備の点検が主となります。

キズ・汚れ・凹みは、誰でも見つけられるだろうと思うでしょう。
ところが、プロの目から見ると必ずどこか気が付かないところがあったりします。
今までの私の経験では、お客様が既にすべて把握していたというケースは一度もありません。また、指摘事項が1~2個しかなかったというケースもありません。
新築物件でも少なくとも5個以上は出てきます。

もちろん、キズや汚れというのは人の感じ方(主観)によって左右し、光の反射などで分かりにくい部分もありますので、キズや汚れについてはご自身でもチェックして色テープを張っておくとよいでしょう。
現場によっては、素人の方では分かりにくい扉の開閉に引っ掛かりがあったり、床が鳴ることがあったりします。

あとはやはりキッチン・浴室・洗面・トイレといった設備機器の動作確認ですね。
こちらについては建設材料が天井裏に残っていたこともありました。
天井裏というのも施工の精度がわかってしまう部分でもあります。

では、なぜ新築マンションでもインスペクションが重要かといいますと。
内覧会が終わった後に、指摘・是正箇所の項目を挙げて、修繕箇所を確認をして書面に署名・捺印をします。
建物をわからない人にとっては少し重い行為ですよね。
署名・捺印をした後で・・・これでいいのかな?という気分にもなるでしょう。

内覧会の案内がされる時には、署名捺印まですることまで説明されたかな??
このような書面を交わしていないと引き渡し後に申告されたキズなどは、施工中のキズなのか入居者がつけたキズなのかわからないので施工者も責任区分を明確にしたわけです。
もちろん、建物が引き渡された後のキズなどは自己責任がほとんどでしょうから、後から申し出ても無償で直してくれないケースの方がほとんどです。
自分がつけていないキズを自分が直すのは嫌ですよね。
また、そのままキズなどが残って生活するのも嫌ですよね。

内覧会のチャンスは1度しかありません。
内覧会の時に指摘することが重要なのです。

後で後悔しないためにもインスペクションをするといいですよ!

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