中古物件を題材にしたテレビ番組が放映される時、床の傾斜を確かめるのにビー玉が用いられます。
ビー玉が転がる映像は衝撃的なのでしょう。
それを放映してあたかも欠陥住宅かのような報道がされることがあります。
しかし、実際にはビー玉が転がるからと言ってすぐに欠陥住宅と判断するわけではありません。
なぜならば、ビー玉は転がりやすいからです。
壁や床の施工精度については、住宅品質確保促進法(品確法)と呼ばれる法律に「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」が参考としてあります。
そこには、傾斜が3/1000未満の場合は構造に瑕疵が存する可能性は少なく、3/1000以上6/1000未満の時は一定程度存在するとあり、6/1000以上の場合は瑕疵が存する可能性が高いとあります。
3/1000というのは、1mの水平に対して3ミリの高さがある傾斜です。
2mならば6ミリ、3mならば9ミリということです。
壁は2m以上で計測し、床は3m以上の場所で計測をして、どの範囲内にあるかどうかを判断をします。
今まで、私の経験では中古物件の床においては、6/1000以上の傾斜はありますが、新築においてはありません。(壁はありますが)
経験として6/1000以上の床を歩くこともありますが、やはり気にするとわかります。
6/1000以上あると、めまい、頭痛、ふらつきなどの健康被害を引き起こす可能性も出てきますので、こうした許容範囲が定められています。
話はビー玉に戻りますが、ビー玉だと3/1000以下の傾斜床であっても転がる場合もあると言われます。
もし、玉を用いて傾斜をみるならば、ピンポン玉かゴルフボール程度が良いといわれることもあります。
ただ、玉を転がして判断することはありませんので、傾斜を正確に測るならば、赤外線レーザーを用いて測ることが適切です。
新築住宅の床傾斜はほとんどありませんが、中古住宅の場合は6/1000程度の傾斜がある場合もありますので、事前にインスペクションされることをおすすめします。