耐震診断は必要か?

今回は耐診断について私の思うところをまとめたいと思います。

耐震診断という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか?

自分が住んでいる市町村で無料の耐震診断があるとか一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

耐震診断は、中古住宅の耐震性を判定するものではありますが、これから中古住宅を購入しようと考える方は、耐震診断をした方がいいと思うでしょうし、耐震診断をしたいと思うことでしょう。

それは当然のことだと思います。

もちろん、やらないよりもやった方がいいとは思いますが、耐震診断というものどのようなものなのか、しっかりと理解した上で耐震診断をされた方がいいと考えます。

一般の方は、耐震診断をしたら、地震に対して安全な建物であるか判定をしてくれるようなイメージはないでしょうか?

耐震診断で安全を確かめられたら大きな地震が来ても耐えることができ、住み続けられるようなイメージはないでしょうか?

もし、そのようなイメージがあるとしたら間違いです。

まず、耐震診断というのは何で決まってくるか。

これは耐力壁の有無などによって決まってきます。

耐力壁とは、地震に耐えるための強固な壁です。

耐震診断は、図面と現地を確認して計算しますが、建物が古いと建物図面が無いこともあったりします。

そうすると筋交いと呼ばれる耐力壁が入っているか分からないことがあります。

分からないとどうするか?

筋交いセンサーみたいな機械で筋交いの位置を探す場合もありますが、そのような高額な機械を所有している業者はとても少ないですし、そこまで診断すると高額な耐震診断になります。

よって、通常はそのような機器は使用せず、天井裏などから覗いて筋交いの位置を確認するのですが、当然のことながらすべての筋交いを正確に確認できないこともあったりするわけです。

そうすると、耐力が分からないわけです。

図面があったとしても、筋交いが本当にそこにあるのか分からないのに、計算上は入れたりしたりします。

しかし、その筋交いが本当に適切な止付け方をしているかなど分からないわけです。

そんな分からないことことだらけの状況で、診断する建築士がある程度想定をして計算している部分があるわけです。

目視で確認できないようなことも想定して計算してしまう場合もあるわけです。

もちろん、その診断数値は、建築士の想定によって良くもなれば悪くもなるのです。

まず、耐震診断には、評点というものがあり、この評点が1.0以上であるか確認をします。

耐力壁など想定をして、評点が1.0以上であるか確認をするわけです。

この評点が1.0以上~1.5未満あれば大地震があっても「一応に倒壊しない」とされ、1.5以上あれば「倒壊しない」とされています。

よって、耐震診断は主に1.0以上あるか確認するものです。

では、この「一応に倒壊しない」という意味はどのようなことでしょうか?

これは、震度6~7の大地震が来ても建物は倒壊せずに命は落とさないようにすると意味です。

ただ「一応」にという言葉がついているように、場合によっては倒壊する可能性があると解釈できますね。

耐震診断というのは、最低限建物が倒壊せず命は守ってくれるかもしれないということを判定しているだけであって、その先、安全に住み続けられるなんて保証は無いわけです。

例えば、熊本地震の時は震度7が2回も来たわけです。多くの被災者は、はじめの地震が本震だと思い家に物を取りに帰ったら、再度震度7が来て建物が倒壊してしまって命を落としたという事例がありました。

よって、耐震診断で評点が1.0以上であれば一度の大地震は耐えてくれるかもしれませんが、その後の地震にも耐えてくれるという保証はないのです。

また、耐震診断は図面が無かったりすると建築士の想定によって評点も変わるため、個人的にはあまり信憑性がないと思っています。

私としては、このなんだか曖昧な感覚で診断を行うことが性格上合わなくてやめてしまいました。

そこで出会ったのが、微動探査というものです。

これは建物を実測し、国の研究機関がデータ解析をしてくれるため、現在はこの微動探査を推奨しています。

詳しくはこちらをご確認ください。

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耐震診断とは別に、耐震等級という言葉をご存知でしょうか?

耐震等級というものは、新築で用いられる品確法「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保法)」に基づいて制定されている基準です。

耐震等級1が低く、耐震等級3は一番耐震性が高いという指標です。

耐震等級1というのは、建築基準法で定められた最低限のグレードで、震度6~7の大地震が来ても倒壊はしないという数値となっています。これも大地震が来ても命だけは最低限守りましょうというレベルです。

ただ、損傷の程度によっては建て替えが必要になることもあるでしょう。

このように耐震診断というのは主に中古住宅の指標であり、耐震等級は新築住宅の指標のため、これらを同様に比べることはできません。

あくまでも個人的な感覚としては、評点1.5は耐震等級1相当というようなイメージもありますが、40年以上前の耐震性を現代の耐震性能と比べることはできません。

耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の地震に耐えられる性能で、災害時の避難所として指定される学校などの公共施設は、耐震等級2以上の強度を持つことが必須です。

耐震等級3は、耐震等級の1.5倍の地震に耐えられる性能で、地震後も住み続けられ、大きな余震が来てもより安全です。災害時の救護活動・災害復興の拠点となる消防署・警察署は、多くが耐震等級3で建設されています。

よって、耐震等級3であればかなり耐震性は高いと言えます。

繰り返しになりますが、図面が残っていなければ想定で計算することもあり、建築士の知識や考え方よって左右されてしまうというところなのです。

また、仮に評点が1.0以上あるからと言って、安心できるような数値ではなく、大地震がきたら、倒壊しないかもしれないけど、熊本地震のような震度7レベルの地震が2度も来たら倒壊してしまうかもしれないし、その後、住み続けられるか分からないないと思っています。

一般の人が耐震診断で一応に倒壊しないと判定が出たら安心してしまうかもしれませんが、あくまでも大地震から命を守れるかという評価であって、住み続けられるぐらいの強度を有しているかどうかではありません。その点をしっかりと理解していただきたいと思っております。

単に耐震診断だけをしたいということであれば、市町村で無料の耐震診断を行なっている場合もあるので、それを活用することも考え方です。

私としては、単に耐震診断をして終わりでははく、その後の耐震補強計画が重要だと考えます。

耐震診断で評点が1.0以上だから良かったで終わることなく、どうしたらより高い耐震性を出せるかの指標に使うべきだと考えます。

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